
サンメックの設計担当者の勉強会の様子
特に金属製品の製造において、溶接は欠かせない接合方法のひとつです。しかし、ただ部材をつなげば良いというものではありません。溶接は熱による歪みがつきものであり、これによって寸法がずれたり、構造全体に応力(外からの力に対して、物体内部に生じる力)が偏ってしまったりすることも少なくありません。さらに、構造物の安全性や耐久性を左右する「強度」の確保も重要です。設計段階でこれらを考慮しなければ、後の工程で手戻りや品質トラブルが発生し、コスト増や納期遅延にもつながってしまうのです。
とくに溶接設計においては、図面に記載される情報が原点になると言っても過言ではありません。溶接品の図面には、寸法や形状だけでなく、溶接記号、継手の種類、脚長や開先の設定、使用材料の選定など、あらゆる項目が記載され、その全てが現場での加工性と仕上がり精度に影響します。「作業者にとってわかりやすい図面かどうか?」、「迷わない指示内容になっているか?」。あらゆる面を考慮して設計図面を描く必要があります。
この記事では、溶接構造品/製缶品の設計から製作、据付工事までを行う株式会社サンメックが、溶接による歪みの回避のコツや、強度を保つための設計の考え方、設計と現場の連携の重要性まで、実務に役立つ知識をわかりやすく解説いたします。溶接設計における基礎知識を知りたい方や、お困りごとを持たれている方までご活用頂ける実践的なヒントを紹介いたしますので、ぜひ最後までご覧ください。
また、溶接、設計段階からのものづくり等に関するお困りごとをお持ちの方におかれましては、技術相談からでも承りますので、お気軽にお問い合わせください。
設計で決まる!溶接における「歪み」と「強度」の基本

当社社員の溶接の様子, 歪みを最小限にする工夫も考えられております。
溶接構造品の設計を行う際、「歪み」と「強度」のバランスをどう取るかは非常に重要です。この2つは一見すると独立した課題のように見えますが、実際は設計段階の判断次第でどちらも大きく左右される要素です。
材料の選定や溶接方法、継手の配置、構造物の形状、さらには加工時の拘束条件や製品寸法など、設計図面に含まれるすべての要素が、後工程での溶接性や加工精度、そして最終的な品質に影響を与えます。
溶接部は単なる「接合点」ではなく、構造全体の中で最も応力(力の集中)がかかりやすく、かつ変形しやすい弱点とも言える部位です。だからこそ、設計した図面上の情報が「製品性能そのもの」を左右するという意識が必要なのです。
本章では、「歪み」と「強度」の関係を紹介するとともに、図面設計から強度を保つポイントを少し紹介します。
歪みとは何か?
溶接時の歪みは、溶接構造物の精度や組立性を大きく左右します。金属は熱によって膨張・収縮する性質を持つため、局部的に熱が加わる溶接では、部品が思いもよらない方向に曲がったり、ねじれたりする現象が発生します。これが「溶接歪み」と呼ばれるもので、とくに薄板や細長い部材、非対称形状では影響が顕著になります。
歪みが発生すると、図面に示された寸法通りに仕上がらなかったり、組立時に調整作業、場合によっては再製が必要になったりと、工程全体に大きな影響を及ぼし、コストが増大する恐れもあります。歪みを抑えるためには、部品配置を対称にする、正しい治具・クランプを活用する、溶接順序を最適化するなど、設計段階から歪みの発生を予測し、予防する事が求められます。
たとえば、開先(部品に設ける溶接のための切り欠き)形状や、溶接ビード(肉)を左右対称に進めるなど工夫することで、加熱と収縮のバランスを取る工夫が効果的です。さらに、材料の厚さ(板厚)や接合部の脚長、クランプの使用可否など、加工時の条件まで見据えた設計が精度向上には不可欠です。
図面にはっきりとした指示がない場合、現場では作業者の経験と判断に頼ることになり、ばらつきや品質トラブルの原因にもなりかねません。だからこそ、「どこにどのような溶接を施すのか」という情報を、記号や寸法で正確に図面に反映させることが大切です。
強度を確保する方法
溶接構造物の信頼性を左右するもう一つの要素が「強度」です。ここでいう強度とは、製品が使用中に受ける荷重や振動に対して、十分な耐久性を持っているかどうかという性能のことです。これは部品単体の話ではなく、構造全体での「応力の流れ」「荷重の分散」によって大きく変わってきます。
たとえば、継手の位置が悪ければ、局所的に応力が集中して割れ(クラック)や疲労破壊(繰り返し/継続的な負荷を受けた際の破損)が発生しやすくなります。また、母材の強度だけでなく、溶接部の溶け込み状態や脚長の設定が不適切だと、せっかく設計したはずの耐久性が得られないこともあります。
強度を設計で確保するためには、板厚、継手の種類、部材の形状、荷重の向きなどを考慮しながら、「必要な性能を持ちつつ、過剰設計にならないようにする」ことがポイントです。さらに、JIS等の規格基準や関連資料を活用し、一般的な許容応力や安全率を参考にしながら判断するのも重要です。
強度不足は外観から判断しにくいため、非破壊検査(X線検査や超音波探傷など)を通じて、内部の欠陥がないかどうかを確認することもあります。しかし、それ以前に設計段階で「破損しにくい構造」を意識しておくことが、コスト削減や手戻り防止につながるのです。
図面がすべてのスタート
製品の製作において、実際に現場で参照されるのは「図面」です。この図面には、溶接記号や寸法、溶接方法、加工順序、開先形状、使用材料、表面処理など、多くの重要情報が詰め込まれています。
しかしながら、図面の指示が曖昧であったり、必要な情報が不足していたりすると、現場では判断に迷いが生じ、結果として加工精度のばらつきや再加工の発生、納期の遅延につながります。
特に当社が得意としている大型の溶接構造物/製缶品や機械装置では、1か所の寸法ズレが他の部品に波及し、組立工程全体に影響するケースも少なくありません。また、作業者・検査担当・工程管理担当・納品担当など、立場の異なる人が同じ図面を使うため、情報は「誰が見ても誤解なく伝わる」ものである必要があります。
だからこそ、図面は単なる設計資料ではなく、製造と品質をつなぐ“製品の中核”といえ、後述もしますが、歪みの発生や強度の低下、現場作業等までを考慮した作成が必要なのです。
歪みを抑える図面設計の考え方

溶接による歪みは、製品の組立性や精度、そして最終的な機能性にまで大きな影響を及ぼします。
だからこそ、「歪まないように溶接する」ではなく、「歪みにくいように設計する」という視点が図面設計では求められます。
製作の現場では、図面から得られる情報をもとに加工や組立が進められます。
このとき、溶接の方法や順序、拘束状態、部材配置などに配慮がなされていないと、想定外の変形や寸法ズレが発生しやすくなります。
図面設計の段階でどのように歪みを予測・防止できるかが、構造全体の完成度を左右すると言っても過言ではありません。
熱による変形のメカニズムを理解する
まず押さえておきたいのが、歪みがどのようにして起こるかという基本的な仕組みです。金属は加熱されると膨張し、冷えると収縮します。この性質は材料によって異なりますが、ほとんどの金属に共通しています。
溶接では、母材の一部だけが高温になり、溶接線を中心に熱が集中します。冷却時には、その部分が急激に縮もうとするため、結果として溶接部周辺の寸法や形状に変形(=歪み)が生じるわけです。
特に薄板や長尺部材、細い構造物などでは、わずかな歪みでも組立に支障が出ることがあります。
たとえば脚長が不均一だったり、肉厚が設計より大きくなると、それに引っ張られる形で他の部材にズレが生じる可能性もあります。
このような「熱による変形」は、使用材料の熱伝導率、板厚、溶接長、ワークの固定条件(拘束条件)によって影響の大きさが変わります。
材料や構造の特徴を踏まえて、歪みに対して敏感な部分を設計段階で把握しておくことが重要です。
対称性と固定条件を意識した配置
歪みを抑える設計の基本としてよく挙げられるのが「対称性」と「固定条件」の適切な設定です。
たとえば、左右対称に部品が配置されていれば、溶接時に発生する熱変形もバランスが取れ、全体としての反りやズレを軽減できます。反対に、片側だけに溶接が集中すると、そちら側へ構造全体が引っ張られるような変形が生じます。
また、現場での固定方法(クランプや治具の設定)も大きな要因です。固定する力が強すぎると応力が蓄積し、逆に溶接後に大きく変形することがあります。設計図面上で母材の固定方法に触れることは少ないですが、そういった配慮が設計段階で必要なのです。
構造物全体のバランスだけでなく、溶接順序にも配慮することで、熱のかかる順番を最適化することで、累積した熱による歪みを抑えることができます。このように、「形状」、「順序」、「最終製品の重心」などの観点から、歪みに強い設計を検討することが求められます。
開先形状と寸法の工夫
さらに、開先(かいさき)形状や寸法公差の設定も、歪みに対して有効な対策の1つと言えます。
開先は、母材同士をしっかり溶け込ませるために設けられる切り欠き部分のことですが、この開先の角度や深さ、さらには脚長やビード幅(肉の量)によって、溶接部の収縮量が変わってくるのです。
仮に必要以上に開先を大きく設けてしまうと、それだけ多くの溶接金属を盛ることになり、結果として収縮量も大きくなって歪みが強く出ることがあります。
一方で、寸法公差をやみくもに厳しくしてしまうと、製造コストが上がる原因になります。
図面上では、適正な余裕寸法を設定し、実際の加工ばらつきを許容できるようにすることが、工程全体の安定につながります。
また、JISや社内標準で定められた寸法・記号の使い方を正しく守ることで、現場とスムーズに連携できる図面が完成します。
このとき「分類」「知識」「使う」「情報」など、図面上でしっかり伝える工夫も必要です。
まとめると、歪みを抑えるには「材料」「形状」「溶接順序」「拘束条件」「開先」「脚長」「ビード(肉)」「記号」「寸法」――これらすべてが関係しています。つまり、シンプルに対策ができる課題ではなく、設計段階から多角的に考え抜くことが歪み防止には不可欠なんです。
強度を確保するための構造的ポイント
溶接構造品の「強度」は、そのまま製品の安全性や耐久性に直結します。
見た目には問題がないように見えても、内部に応力(力の集中)が偏っていれば、使用中に割れたり、変形したりするリスクが高くなります。この章では、構造的な観点から強度を確保するための設計の工夫を紹介します。
応力集中を避ける形状設計
溶接構造で強度が不足する大きな原因のひとつが、「応力集中」です。これは、部材の角や穴の縁、継手の端部などに力が一点に集中する現象を指します。とくに形状が急に変化する部分や、厚みが不均一な接合部は、荷重がかかったときに破損しやすくなります。
例えば、断面が急激に細くなるような設計や、鋭角なコーナーを持つ構造物では、その部分に応力が集中して割れ(クラック)や疲労破壊が起こる可能性があります。このような場合は、曲線的に応力を逃す“R形状”の採用や、厚みを徐々に変化させた構造に設計することで、応力を分散させることができます。
また、開先の角度や配置を見直すことで、溶接部に加わる力の向きをコントロールし、局所的な過負荷を避けることも可能です。このように、図面上での「形状」と「寸法」設計は、製品の寿命やメンテナンス性に大きく関わってきます。
継手の種類と板厚の最適化
強度設計をする上で、どのような継手を選ぶかも重要なポイントです。継手とは、部材と部材をつなぐ方法のことで、突合せ継手・重ね継手・かど継手・T継手など、用途や構造に応じたさまざまな種類があります。
例えば、突合せ継手は外見がフラットで構造的に美しく、応力の流れもスムーズにできますが、高い加工精度が要求されます。
一方で、隅肉溶接は加工が簡単な反面、脚長や肉盛りの量が強度に大きく関係するため、図面上で明確に寸法指示を出す必要があります。
また、部材の「板厚」も強度に直結する要素です。板厚が薄すぎると応力に耐えられず、厚すぎると歪みが出やすくなったり、加工コストが上がったりします。必要最低限の厚みと強度を確保することで、製品の軽量化やコスト低減にもつながります。
板厚の選定は、荷重条件、使用環境、材料特性、加工方法などから総合的に判断する必要があります。JISの規格値や過去の製作実績の参照等を実施しながら、最適な設計を行うことが求められます。
疲労破壊を防ぐための工夫
繰り返し・継続的な負荷や振動によって生じる「疲労破壊」は、強度不足によるトラブルの中でも特に見落とされがちなポイントです。静荷重には耐えられても、長時間にわたる微小な繰り返し応力(引張)でも、徐々に微細なひび割れが広がり、最終的に突然破断することもあるため注意が必要です。
疲労破壊を防ぐには、まず応力集中を減らす設計にすることが大前提。さらに、溶接部の仕上がり品質を確保することも重要です。溶接部の過度な脚長や、ビードの急な立ち上がりは、応力の不連続性を生み、疲労に弱くなります。
表面仕上げやトリミング、研磨などを設計段階で指示し、実際の製作・検査工程まで見据えた記号や注記を図面に記載しておくと、現場との情報共有がスムーズになります。
また、もし過去に破損事故が起きた製品事例がある場合には、分析を行う事はマストで、「どこに疲労破壊が集中しやすいか」「どの継手構造が危険か」といった傾向を把握しておくことが、再発防止とノウハウの蓄積につながります。
「強度を確保する設計」というと難しく感じますが、ポイントをまとめると、
- 応力が集中しない形状・配置を検討する
- 継手の種類や位置、寸法を適切に設定する
- 板厚や開先を過不足ないように設定する
- 疲労破壊の傾向を予測し、加工指示まで考慮する
このような工夫が、製品の信頼性・安全性・製造コストの最適化につながります。
設計・製図段階からこうした「強度の考え方」をしっかり考慮し、現場作業とのギャップを埋め、工程の長期化や後戻りが起きないように注意することが重要です。
図面と現場のギャップを埋めるには?

ここまでは、設計時の重要なポイントを紹介してきましたが、実際談どれだけ精緻な設計を行っても、実際の製造現場でその意図が正しく伝わらなければ、精度や品質は安定しません。特に溶接や製缶のような加工では、材料のばらつきや作業者のスキル、利用設備の違いなどによって、仕上がりに差が出やすいのが実情です。
そのギャップを埋めるカギとなるのが、「図面」と「現場」の連携です。
現場の“溶接性”を意識した図面とは?
設計者の視点では理想的な設計を行えたとしても、現場にとっては「やりづらい」、「精度が出しにくい」ということが多々あります。たとえば、脚長が大きすぎる隅肉溶接や、極端な開先角度が指定されている場合が挙げられ、溶接機の特性や作業者のスキルによって不具合の発生リスクが高まってしまうこともあります。
こうしたトラブルを防ぐには、現場での“溶接のしやすさ”=溶接性を意識した設計が必要です。接合部が狭すぎたり、裏波の確保が困難だったりする構造は避け、作業性や治具での固定のしやすさも考慮に入れて設計を進めましょう。
また、図面上ではつい略記号や簡略化された表現を使いがちですが、現場にとっては「どこからどこまでが指示範囲か」「何ミリの脚長が必要か」など、明確な情報を求めていることが多く、都度作業者が設計者に問い合わせるようなことを招いてしまうと、工数増加につながってしまいます。
そのため、図・記号・寸法指示は明確に。あいまいな表現を避け、すべての作業者が同じように読み取れる図面を目指すべきです。
現場からのフィードバックを設計に活かす
製造業に限らず、多くの企業で起きてしまう問題ですが、製造業において設計と現場が分断されていると、問題が発生した際に「図面通りにやったのに不具合が出た」「設計が加工のことを分かっていない」といった不信感やミスの押し付け合いが起きがちです。
これを防ぐには、現場の声を積極的に取り入れられる体制の西部と、設計を改善するサイクルを回すことが重要です。たとえば、「この継手構造だと歪みが大きい」「この開先では裏当てが必要になる」など、実際に作業する側からの意見は、設計品質の向上に大きく貢献します。
当社では、品質管理の取組の一環として、定例会議を開いており、期間内に発生した課題点や不良に関する考察と対策を行っております。こうしたフィードバックループを通じて、「現場で起きている問題」と「設計段階での判断」のギャップを少しずつ埋めていくことが可能になります。
加えて、当社は様々な非破壊検査を行っておりますが、記録や品質データを分析して、設計と実測値のズレを見つける手法も有効です。検査記録に出てくる寸法ずれや欠陥位置の傾向を把握し、次回以降の設計で先回りした対策ができるようになります。
非破壊検査については、別の記事でも紹介しておりますので、詳細を知りたい方はぜひご覧ください。
作業者に依存しない品質に向けて
どれだけベテランの作業者がいても、属人性が高い工程では品質の安定性に限界があります。だからこそ、設計段階から「誰がやっても同じ品質になる」ようにな仕組みを構築することは非常に重要です。そのためには、
- 公差を図面に明記し、再現性を高める
- 加工順序/工程設計や治具構成などをシンプルにすることで、ミスを減らす
- 適切な肉厚・脚長を指定することで、溶け込み不足を防ぐ
等の、後工程を考慮した設計を行うことが重要です。
また、CADや3D設計データの活用による、作業者が視覚的に理解できるような取り組みも有効です。このような補助資料も、図面の「関連資料」として添付することで、全体の作業効率が向上します。
現場と設計の連携力を強めることで、製品の完成度は格段に上がります。逆に、情報共有がうまくいかないと、ミスが生じ、コスト・時間のロスに発展します。
だからこそ、設計段階で、現場作業や完成後を見据える。これを行う事が大変重要なのです。
当社の溶接構造物の製作事例
当社ではプラント業界を中心に幅広い業界のお客様よりお引き合いを頂いており、数多くの溶接構造物の設計~製作を行った事例がございます。ここで、当社が実際に設計、製作した製品事例をご紹介いたします。
原子力プラント向け 金属キャスク用水平吊具

材質 | SS400 |
業種 | 原子力プラント関連 |
数量 | 1式 |
サイズ | W1310×L2745×H1560[mm] |
プラントメーカー向けに納めた、使用済み核燃料を格納するキャスクの輸送に用いられる吊具です。非常に危険性のある用途であるからして、厳密な強度計算を要した製品であり、要所要所に歪みや脆弱性を持たせない設計をしております。塗装までを一貫して対応した製品であり、塗装前の写真等も気になる方は、下記記事をご覧ください。
建機業界向け アルミ製 高所作業用作業足場

材質 | オールアルミ |
業種 | 建機業界 |
数量 | 1式 |
サイズ | W1450×L2970×H3950[mm] |
建機業界向けに納めましたアルミ材のみで製作した高所作業用の足場となります。足場自体の移動の機会が多いため、重量を抑えるためにアルミ材のみとしておりますが、アルミは熱の影響を非常に受けやすいため、歪みや強度の低下が起こりやすい材質となります。一方で、確かな強度計算・設計を行ったもと製造した製品です。製品の全貌をご覧になりたい方は、下記リンクをご参照ください。
まとめ:歪みを抑え、強度を高める溶接設計のポイントとは

溶接構造物/製缶品の品質は、性能、安全性、耐久性に直結します。そしてその基盤となるのが、設計段階でいかに「歪みの抑制」と「強度の確保」を両立させた図面を描けるかにかかっています。
溶接では、熱によって材料が変形しやすく、しかも応力が局所に集中しやすい。こうした特性を理解せずに設計を進めれば、加工現場で歪みや強度不足といった問題が発生し、品質トラブルや再加工、納期遅れといったリスクにつながります。
精度と信頼性の高い設計を行うには、
- 歪みの発生を予測し、ワーク対称性や溶接順序、固定方法まで考慮した設計を行う
- 応力集中を避けられる形状、適切な継手・板厚を選定し、強度を確保する
- 寸法、記号、指示を明確にし、誰が見ても分かりやすい図面を描き、品質の均一化まで図る
- 現場との連携の強化によるコメントや、過去の製造実績を設計内容にフィードバックする
これらの工夫、行動を実施することが大切です。
当社では、プラント業界・建機業界を中心に大型の溶接構造物の製造実績を豊富に有しており、定期的に現場管理者と設計担当者同士をフィードバックが行える会議も設け、最適な溶接構造品の設計を行える体制を築けております。長年培ってきた高い技術力と時代のニーズに対応した設備を活かして、高品質な製品を短納期・低コストで提供可能です。豊富な経験をもとに、製品の信頼性を高めるとともに、お客様から高い評価と信頼をいただいております。
もし、溶接品の設計等について、お困りごとやご相談がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。